にんにくの効果・効能(未病編)
ニンニクといえば、パワーアップやスタミナあったといった、活力を上げてくれるイメージがありますよね。もちろん、にんにくはスタミナ食材として有名ですが、他にも多くの健康効果が期待できるのをご存じですか?
にんにくを摂取すると、血圧を抑えたり、がん予防や食中毒予防、糖尿病予防といった生活習慣病を予防してくれる効能が期待できます。にんにくを毎日少しずつ食べることで、健康維持できたら嬉しいですよね。そこで今回は、にんにくの効果・効能についてご紹介していきましょう。
にんにくを食べて、健康維持していきたいと思っている方は、是非参考にしてみてください。
①血圧低下・血液サラサラ
にんにくには様々な健康効果がありますが、その中でも大きなメリットとして、血圧を下げてくれる効果が挙げられます。にんにくを食べると体が温まるので、なんとなく血圧が上がってしまうのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、そのような心配はなく、むしろにんにくを食べることで血液がサラサラになり、 血圧を下げてくれるのです。
最近は、欧米化した食生活や塩分の摂りすぎにより、高血圧になる人が増えています。忙しい現代人は、運動不足になりやすく、慢性的な睡眠不足が続いたり、過度なストレスにより、若年層でも高血圧の人が 増加しているのです 。
高血圧は、食生活の乱れだけではなく、年齢を重ねるだけでなりやすいので、日頃から気を付けなければなりません。高血圧は自覚症状がないため、定期的に血圧を測って、意識してチェックすることが大切です。
気がつかない間に症状が進行してしまうと、脳卒中や心筋梗塞を引き起こしてしまうので注意が必要です。高血圧を予防するためには、野菜中心の栄養バランスの良い食生活をすることが大切。また、塩分を控えめにするなど自炊を中心とした健康的な食生活を心がけることが必要です。
高血圧の方にオススメな食材として、にんにくが挙げられます。
にんにくは、他の野菜と比べると硫黄化合物が多く含まれているので、食べるだけで血圧を下げてくれるという優秀な食品なのです。にんにくに含まれる硫黄化合物により、血液の流動性を高めて、血圧を下げる作用が働きます。
にんにくを摂取すると、交感神経を刺激して末梢血管を拡張させるため、血圧を抑えながら代謝がアップするのです。
そして、にんにくに含まれる臭いの成分アリシンは、コレステロール値の上昇を抑えながら血行を促進して、血液がサラサラになる効果が期待できます。
にんにくを食べることで血圧を下げて、血液がサラサラになるため、高血圧に悩む方は積極的に取り入れていきましょう。
②風邪などの予防・免疫力アップ
風邪をひきにくくしたり、インフルエンザを予防するためには、日頃の食生活を気をつけることが大切です。野菜中心の栄養バランスの良い食生活を心がけることが基本となります。
そして、風邪を予防したり、インフルエンザ予防やアレルギー対策に効果を発揮してくれるの食品がにんにくです。
にんにくに含まれるスルフィド類は、体内に侵入したウイルスを除去して、さらにウイルスを攻撃して抗体を体内に作らせることができるのです。にんにくに含まれるアホエンは、アリインというアミノ酸の一種が変化したもので、免疫力に効果的な成分です。
冷え性で低体温の人の場合は、風邪をひきやすく、インフルエンザにもかかりやすい体質になっています。
冷え性の方は、にんにくを食べると体温が上昇して交感神経を刺激し、ノルアドレナリンを活発に分泌させるので、血行が良くなり冷え性改善に役立ちます。風邪予防のためにも、日頃からニンニクを多く献立に取り入れて免疫力をアップさせていきましょう。
③ガンの予防効果期待
現代病の一つとも言えるがんは、日本では死因のトップとなっており、様々な予防法が 注目されています。がん細胞は進行性のため、日頃からがんにならない食生活を心がけて、がん細胞を作らないようにすることが大切です。
がんを予防するには、禁煙したり、適度な運動やバランスの良い食生活を取り入れたりして、生活習慣を整えることを心がけましょう。
そして、がん予防を意識した食生活をするためには、にんにくを取り入れると効果的なことが分かっています。
アメリカ国立がん研究所は、90年代からがん予防の研究を行っていて、にんにくをよく食べる人は、がんの発生率を下げることが研究データによって分かっています。アメリカが発表したデザイナーフーズは、多くの食品の中からがん予防できる食品を約100品目選び出しており、 その中でトップになったのがにんにくだったのです。
にんにくに含まれるDATS(ジアリルトリスルフィド)は、がん細胞の増殖を抑えて、正常な細胞に戻して、がん細胞を消滅させる 効果があることが分かっています。
最近は、がん治療の分野でも、体に負担となる抗ガン剤の投与量を減らして、にんにく成分DATSを取り入れる研究も進んでいます。
その他にも、にんにくの臭い成分アリシンは、がんの原因となる過剰な活性酸素を除去して、酵素の量を増加させ、がん予防に役立つと言われています。
④胃潰瘍・十二指腸潰瘍の予防効果
にんにくの胃潰瘍・十二指腸潰瘍の予防効果は、まだ医学的にははっきり証明されていません。今のところ分かっているのは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の主な原因であるヘリコバクター・ピロリ菌を排除する効能があること。
にんにくを積極的に食べている人は、にんにくのピロリ菌排除効果により、胃潰瘍や十二指腸潰瘍も同時に予防することができます。にんにくは、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌の感染を軽減して、ピロリ菌の増殖を抑制したという研究データがあるので、予防に期待できると言えます。
⑤食中毒の予防効果
にんにくの抗菌・殺菌効果は非常に強く、食中毒予防になることは意外と知られていないメリットです。にんにくに含まれるアリシンは、食中毒の元となる細菌などや大腸菌O-157まで殺菌するほど強力です。
できれば生のにんにくの殺菌力が効果的なのですが、 加熱したにんにくでも十分に効果を除菌発揮します。にんにくの抗菌・殺菌作用は、ニラや生姜よりも強く、全ての細菌を殺菌できるのはにんにくだけだと言われており、その優れた効果に期待されています。
にんにくの食中毒予防効果を最大限に引き出すには、生のにんにくを潰す、すりおろし、みじん切りすると効果的です。
⑥糖尿病の予防・改善効果
にんにくが糖尿病の予防・改善効果という 医学的なデータは、今のところまだなく、はっきりとした効果は解明されていません。にんにくを食べることで、直接的に糖尿病に効果的があるとはまだ言えません。今のところわかっているのは、にんにくの糖代謝を促進する効能です。
そして、にんにくにはインスリン分泌を促進する効能もあるため、糖尿病の予防や改善に効果が期待できると言われています。
まず、にんにくの糖代謝を促進する効能から説明していきましょう。
糖尿病とは、インスリンが機能しなくなることにより食後にインスリンが分泌せず、血糖値が高くなる病気です。通常は、炭水化物などから得られる糖をエネルギーに変換して糖代謝が行われますが、ビタミンB1が不足すると上手く行われなくなるのです。ビタミンB1は、水溶性で熱に弱いため、調理過程で失われやすく、摂取しにく成分のため常に摂取する必要があるのです。
食べ物からビタミンB1を摂取できても腸で吸収されにくく、必要以上のビタミンB1は体外へ尿と一緒に排出されてしまうため、体内に留めることができません。糖尿病になるとビタミンB1が圧倒的に不足がちになるので、食生活でしっかり取り入れる 必要があります。
糖尿病の改善予防のためには、日々ビタミンB1を摂取し続ける必要があるのですが、そこで便利なのがにんにくです。にんにくは、ビタミンB1の吸収を高めて、体内に保存させておく効能があるため、 糖尿病の予防改善に役立つと言われています。
にんにくに含まれるアリシンは、ビタミンB1と結合すると、スーパービタミンB1と呼ばれるアリチアミンという物質に変換します。アリチアミンは、脂溶性で熱に強いため、調理過程でも失われず、体内に長時間止まることができるのがメリット。
にんにくを食べると、体内に不足しやすいビタミンB1の吸収率も上がり、糖代謝をしっかり機能させて、血液中に放出される糖を抑制できるのです。にんにくが直接糖尿病を改善したり予防するという医学的な根拠はまだありません。しかし、ビタミン B 2の吸収率を上げて、血糖値を抑えることにより、糖尿病の予防になるのではないかと考えられています。
にんにくの適量は?
にんにくは健康的なメリットが多いことがわかりました
ただし、 胃腸への刺激が強いのでくれぐれもにんにくの食べ過ぎには気をつける必要があります。
にんにくの適量は個人差がありますが、一般的に
- 生にんにくであれば1日1片程度
- 加熱したにんにくであれば1日2~3片程度
が目安となります。
まとめ
今回は、ニンニクを食べることで得られる多くの健康的なメリットをご紹介していきました。
にんにくといえば、スタミナアップやパワーの源と言った活力を与えてくれるイメージが強いでしょう。
それと同時に、多くの健康的なメリットがあることがお分かり頂けたかと思います。血圧が高めの方は、ニンニクを摂取すると血圧を下げることができます。にんにくのがん予防の効果は、アメリカの研究データでも証明されて いるのです。そして、食中毒予防や免疫力アップにも役立つので、日頃からにんにくを食べる メリットはかなり多いと言えるでしょう。