にんにくの芽とは?選び方・保存方法

にんにくの芽とは?選び方・保存方法・レシピをご紹介

「にんにくの芽」は中華料理の炒め物によく入っているシャキシャキとした美味しい食材です。

 

歯ざわりが良く美味しいにんにくの芽ですが、スーパーで見られるのは中国産が多く、日本産はあまり見かけませんよね。にんにくの芽はどのような野菜なのかあまりよく知られていません。

 

にんにくの芽はどのような野菜

にんにくは、土に埋められた根もとの球根部分ですが、実はにんにくは春になると花を咲かせるをご存じですか?
にんにくは、花を咲かせるために茎を伸ばすのですが、その茎の部分が「にんにくの芽」と呼ばれています。そこで今回は、にんにくの芽の産地や選び方と保存方法、レシピなどをまとめてご紹介しましょう。

 

にんにくの芽とは?

名前は「にんにくの芽」や「茎ニンニク」と呼ばれていますが、にんにくから生えた芽という意味ではありません。

 

にんにくの芽とは?

正確には、にんにくが花を付けるために伸ばす花茎の部分を指しています。

にんにくは、花をつけるために花茎(かけい)と呼ばれる部分が成長するのですが、その部分がにんにくの芽なのです。

 

温かい季節になると、にんにくの芽である花茎はスクスクと成長して淡い紫色の花を咲かせます。

 

花が咲く時に、花は土の中から多くのエネルギーを搾取するので、花にエネルギーを取られ過ぎてしまうと、にんにくが十分に育たなくなってしまうのです。

 

にんにくの球根部分にしっかり養分を貯めておけるように、花に栄養素を取られる前に花茎を刈り取るのです。

 

にんにくの栽培農家は、花が咲く前に芽を摘み取る「芽摘み」という作業を行います。
芽摘みを行えば、花に栄養素を奪われることなく、土の中のにんにくも栄養素を吸収してしっかり育つというわけですね。

 

にんにくの芽摘み

芽摘みで取られたものは「にんにくの芽」として別の野菜として出荷されます。にんにくの芽はもともと花茎ですが、なぜ芽と呼ばれるのは不明です。芽が成長して花茎になるため「にんにくの芽」と呼ばれていると考えられています。

 

中国から日本ににんにくが伝わった時に「にんにくの芽」と名付けられたため今でもにんにくの芽と呼ばれているのでは?と考えられますね、

にんにくの芽とは?

にんにくの芽は、花が咲くつぼみ部分から先を切り落として茎だけにした状態で販売されます。
今ではにんにくの芽を収穫するためだけに品種改良されたものが多いそうです。

 

日本でもにんにくの芽は栽培されており、「福地ホワイト六片種」ブランドで有名な青森県でも収穫されます。
国産のにんにくの芽は短く細く、頭に蕾が付いているのが特徴です。

 

にんにくとにんにくの芽の違い

そもそもにんにくは、疲労回復やスタミナアップ、精力アップ、眼精疲労など活力を上げてくれる食材として知られています。
にんにくは昔から民間薬としても使われており、疲れた時や不調の時は薬の代わりに食べられていました。にんにくに含まれるアリシンは、糖質の代謝を促して、体を動かすエネルギーをつくるビタミンB1と結合して、疲労回復や滋養強壮に発揮します。そのスタミナ食材であるにんにくは、花を咲かせるためににんにくの芽という茎を伸ばします。

 

にんにくの芽は、にんにくと同様に硫黄化合物の一種であるアリシンが多く含まれており、疲労回復や滋養強壮に役立ちます。
にんにくの芽は、皮膚の炎症や色素沈着を改善したり、体内の過剰な活性酸素を除去して殺菌効果と抗酸化作用も期待できます。
ただし、アリシンは過剰摂取するとアレルゲン成分になるため、生のまま食べ過ぎるのはNG。
にんにくもにんにくの芽も食べ過ぎると腹痛や下痢、頭痛といった副作用のような症状を引きおこすことがあるので気をつけましょう。

 

にんにくの芽の栄養素

にんにくはスタミナ食材として知られていますが、にんにくの芽の栄養素はどうでしょうか?
にんにくの芽はにんにくよりも栄養素の種類が多いので、様々な栄養素を一気に取れるのがメリットです。

 

①カロテン(ビタミンA)

カロテン(ビタミンA)

にんにくの芽は緑黄色野菜に分類されておりカロテンが豊富に含まれているのが特徴。
カロテンは体内に取り込まれるとビタミンAに変化して、眼精疲労や目やの充血を取ってくれたり、皮膚粘膜を強くします。
ビタミンAはにんにくには含まれていない栄養素なので、にんにくの芽から積極的に摂取しましょう。

 

②ビタミンC

にんにくの芽にはビタミンCも含まれているので、健康と美容に嬉しい栄養素を豊富に摂取できます。
ビタミンCは、白血球の働きを強めて免疫力アップに役立つので、体内のウィルスや細菌を除去したり、風邪予防にも効果的です。

 

そして、ビタミンCは細胞同士をつなぐコラーゲンの生成に関わるため、強い皮膚や骨、そして筋肉の組織の形成をサポートします。
他にも、副腎に働きかけて副腎皮質ホルモンを生成するのでストレス解消にも役立ちます。ビタミンCは、美肌効果もあるので積極的に取りたい成分の一つです。

 

③カルシウム

ニンニクの芽にはカルシウムが多く含まれており歯や骨を強くする働きがあります。
カルシウムを摂取すると、骨や歯を丈夫にしたり、神経を安定させてストレス解消にも効果が期待できます。

 

④食物繊維

にんにくの芽には食物繊維が豊富に含まれているので、腸内環境を整えて、便通を良くする作用が期待できます。食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにして代謝を高める作用があるので肥満予防にも役立ちます。

 

 

収穫時期と国内産、中国産の違い

中国ではにんにくの芽を収穫するために品種改良されたものが栽培されており、1年中栽培・収穫されています。中国は、日本に比べて農業人口が多く面積も広いために大規模な栽培が可能なのです。

 

日本でにんにくの芽が収穫される時期は、にんにく球の収穫を目前に控えた5月下旬から6月上旬がピークです。国内でにんにくの芽が採れる時期は、にんにくの球根の栽培時期に合わせて行われます。

 

にんにくの芽の収穫時期と国内産、中国産の違い

にんにくの芽を取るのは「芽摘み」と呼ばれ、機械で行うことができないため、手作業で摘み取らなければなりません。日本の農場においては労働力が不足しているので、にんにくの芽を大規模に収穫することができないのです。
そのため日本のスーパーで販売されているにんにくの芽は、90%以上が中国産というわけです。

 

中国から輸入されているにんにくの芽は1年中手に入れることができます。日本産のにんにくの芽を手に入れるにはスーパーではなかなか手に入らないので見たこともない方も多いでしょう。

 

中国産のにんにくの芽は細くて真っ直ぐ伸びていますが、国産のにんにくの芽は太めでつぼみの先が短いのが特徴です。青森県のにんにくブランド「福地ホワイト六片種」のにんにくの芽も道の駅や産地の直場所などで手に入れることができます。

 

 

にんにくの芽の選び方

にんにくの芽の選び方

ここからは、スーパーでにんにくの芽を選ぶときのポイントと保存方法をみていきましょう。

 

にんにくの芽を選ぶときは、鮮やかな緑色をしていて弾力があるものが新鮮なのでチェックしましょう。
切り口の色が黄色っぽく茶色になったものは傷みがあり、鮮度が落ちているので避けてください。

 

国産のにんにくの芽には、つぼみが付いているものがありますが、蕾の先端まで青々としていて弾力があり、みずみずしいものが新鮮です。
そして、にんにくの芽は太く真っ直ぐ伸びているものが栄養成分が豊富に含まれているのでオススメ。にんにくの芽は曲がっているものが多いのですが、なるべくピンと真っ直ぐな形のものを選びましょう。

 

にんにくの芽の保存方法

にんにくの芽を購入したら、冷蔵庫または冷凍庫で保存することができます。

①冷蔵庫で保存する

2〜3日以内にすぐに食べる場合は冷蔵庫に保存しましょう。
冷蔵庫保存する場合は、にんにくの芽が冷蔵庫の中で空気に触れて乾燥を防ぐために、チャック付きの袋に密封してから冷蔵庫に入れます。

 

②冷凍庫で保存する

1ヶ月以上長期保存する場合は、冷蔵庫に保存しましょう。
冷凍庫に保存する場合は、一度茹でてから冷凍します。

 

まず、沸騰した鍋の中に塩を加えてから茎の部分を約1分程度茹でます。
にんにくの芽の頭のつぼみの部分は約10秒くらい茹でてから、氷水に付けて冷やします。
その後にザルに入れて水気を取り、キッチンペーパーで水分を取ります。
チャック付きのポリ袋などに重ならないように入れて、密閉してから冷凍庫で保存します。
冷凍したにんにくの芽を使うときは、解凍して水分が飛ばしてから使いましょう。

 

にんにくの芽のレシピ

家族の健康維持や肉体疲労の回復のため、活力アップのためにもにんにくの芽を積極的に献立に取り入れましょう。
ここからは、誰でも簡単にできるにんにくの芽のレシピをご紹介します。

 

白いご飯が進むおかずに最適な品「牛肉とニンニクの芽の甘辛炒め」と箸休めにも美味しい「ニンニクの芽のおひたし」です。
忙しいときも簡単に作れてお弁当のおかずにも喜ばれますよ。

 

▼「牛肉とニンニクの芽の甘辛炒め」の作り方
〈材料〉2人前

牛肉とニンニクの芽の甘辛炒

  • 牛細切れ肉 250g
  • にんにくの芽 1束
  • 砂糖 大1と1/2
  • 醤油 大1と1/2
  • オイスターソース 大1と1/2
  • 塩コショウ 適量

 

〈作り方〉

  1. 大きめのボウルに牛細切れ肉と砂糖、醤油を入れて揉み込み味を染み込ませます。
  2. にんにくの芽は食べやすいようにカットしておきます。
  3. ライパンにごま油またはサラダ油をひいて熱します。
  4. ライパンに①の牛肉を入れてよく炒めます。
  5. 牛肉全体に火が通ってきて赤みがなくなってきたら、にんにくの芽を加えて全体に火を通すようにさらに炒めます。
  6. 牛肉とにんにくの芽にも火がしっかり通ったらオイスターソースを入れて味付けをします。
  7. 最後に塩コショウをして味を整えたら出来上がりです。

 

〈料理のポイント〉
熱々の白いご飯の美味しいおかずになり、にんにくのスタミナアップを得ることができます。
冷めてもお弁当のおかずに入れれば、お子様のスタミナアップに役立ちますよ。
にんにくの芽をアスパラに変えても美味しく調理できるのでぜひ試してみてください。

 

▼「にんにくの芽のおひたし」の作り方
〈材料〉

  • ニンニクの芽 5〜6本
  • すりおろし生姜 5g
  • 種を抜いた鷹の爪(お好みで) 1本
  • 白だし 大さじ3杯
  • 酒 大さじ2杯
  • 砂糖 小さじ1杯
  • 水 100ml

 

〈作り方〉

  1. 鍋に水 100ml、白だし 大さじ3杯、酒 大さじ2杯、砂糖 小さじ1杯を入れて火にかけます。
  2. 煮立ちしたら火を止めて、種を抜いた鷹の爪 1本とすりおろし生姜を加えます。
  3. 鍋を冷まします。
  4. にんにくの芽は適当に食べやすい長さに切ります。
  5. にんにくの芽は鍋で2分くらい塩茹でします。茹ですぎないのがポイント。
  6. にんにくの芽を⑶の出汁に浸けます。
  7. 粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷まします。

 

〈料理のポイント〉
にんにくの芽を茹でると甘みが増すのでおひたしにすると美味しく食べられます。
和風の出汁に浸けておひたしにすれば箸休めやお酒のおつまみにも最適ですね。
調理のポイントは、にんにくの芽を茹ですぎずに硬さを残しておくと歯ごたえがあり美味しく出来ますよ。

 

まとめ

にんにくの芽の産地や選び方と保存方法

今回は、にんにくの芽の産地や選び方と保存方法、レシピなどをまとめてご紹介しました。
いつもスーパーで見かけるにんにくの芽はなぜ中国産が多いのだろうという謎は、日本の農産の事情と季節が関係していたのですね。
そして、にんにくの芽はにんにくと同様にスタミナアップ成分のアリシンやビタミンAなど多くの栄養素を摂取できることもわかりました。にんにくの芽は一年中手に入れることができるので、積極的に献立に取り入れて健康維持に役立てたいですね。