黒にんにくの白いにんにくの違い
黒にんにくの白いにんにくの違い
健康維持やスタミナアップに効果的なにんにくですが、最近は「黒にんにく」をよく聞くようになりました。
栄養ドリンクやサプリメントにも黒にんにくのパワーが注目されて商品化されています。通常のにんにくは真っ白ですが、色が黒いにんにくは栄養や味、臭いに違いがあるのでしょうか?
今回は、黒にんにくと普通の白いにんにくの違いについて詳しくみていきましょう。
黒にんにくと白いにんにくの違いは?
黒にんにくは名前通りに真っ黒な色をしていますので、白いにんにくと品種が違うのかな?と思う方が多いかもしれません。しかし、実際には黒にんにくという品種はなく、白にんにくが自然と黒くなったものなのです。
①色の違い
黒にんにくとは、普通の生の白いにんにくを温度と湿度を一定に保ち高い温度で熟成させて、自然発酵させたものです。
白いにんにくが黒くなる理由は、添加物を加えたわけではなく、アミノ酸と糖の化学変化「メイラード反応」によって自然と黒く変化していくからです。
黒にんにくが熟成されると糖とアミノ酸が高温下で化学反応が起きて、メラノイジンという色素が作られます。メラノイジンが発生すると、茶褐色や黒く変化して黒にんにくとなるのです。
玉ねぎを炒めて加熱したり、コーヒー豆の焙煎時に、茶褐色や黒く変化していく過程はメラノイジンが発生したことが関係しています。
②糖度の違い
黒にんにくは、熟成される過程でメラノイジンと呼ばれる褐色物質が生まれて白色から徐々に褐色になり、黒色に変化します。
にんにくは熟成されると糖度が上がり、臭いもほとんど無く、まろやかなフルーティーな口のあたりになるのです。
そして、黒にんにくは、普通の白いにんにくに比べて炭水化物が1.7倍になるので、フルーツのような甘みを感じられるのが特徴です。
一口食べると、甘いドライフルーツのようで柔らかく果実感があり食べやすいのがメリット。
③臭いや辛味の違い
黒にんにくは見た目のインパクトさから白いにんにくよりも強烈な匂いや味がするのでは?と思うかもしれませんが、逆に臭いや辛味はほとんどなくなっています。
プルーンのような食感と甘みがあるので、白にんにくの臭いや風味が苦手な方も、黒にんにくならば食べられるという方が多いです。黒にんにくには、独特なにんにくの臭いや胃への刺激も少ないので、胃腸が弱くて白いにんにくが食べられない方にも向いています。
白の生のにんにくと比べると、黒にんにくは同じにんにくとは思えないほど別物になるのが面白いですね。
黒にんにくの特徴
黒にんにくは添加物が入っていなく、白いにんにくが熟成して自然に黒くなったことがわかりました。
ここからは、黒にんにくの特徴をみていきましょう。
①黒にんにくだけに含まれる生活習慣病の予防に役立つ成分
まず、黒にんにくの特徴として、栄養豊富がさらにパワーアップするので栄養値が高まります。
白にんにくが熟成して黒にんにくに発酵する過程で、S-アリルシステインという新しい成分が生まれます。
S-アリルシステイン
S-アリルシステインという成分は、白にんにくにはなく、黒にんにく特有のもので活性酸素と悪玉コレステロールの除去に役立ちます。
黒にんにくにはS-アリルシステインが豊富に含まれるため生活習慣病の予防になるのです。そして、S-アリルシステインは水溶性成分なので腸からの吸収率も良いのがメリット。
その他、黒にんにくは動脈硬化を予防や脳卒中を予防にも役立ちます。
②黒にんにくは豊富な遊離アミノ酸
私たちが生きていくために欠かせない栄養素であるアミノ酸ですが、黒にんにくには生の白んにくの1.5倍もの遊離アミノ酸が含まれています。
黒にんにくは熟成効果によって13種類のアミノ酸が増加するのも嬉しいメリット。そのため、筋トレや有酸素運動をする前に黒にんにくを摂取すると、トレーニング効果を高めることができます。
③黒にんにくはポリフェノール含有量が多い
人間の体は活性酸素が抗酸化能力を働き体を守っていますが、加齢や生活習慣の乱れによって、過剰に活性酸素が増えてしまいます。
過剰な活性酸素は生活習慣病や肌にシワやくすみ、シミを増やす原因となります。
黒にんにくは体内に発生した過剰な活性酸素を除去するポリフェノールを豊富に含有しています。ポリフェノール含有量は白にんにくよりも黒にんにくの方が高いので、黒にんにくは抗酸化作用に期待できるのです。
④黒にんにくは完全無添加食品
黒にんにくは添加物を加えて黒くなったのではなく、白いにんにくが熟成されて自然と黒くなった完全無添加食品です。
白いにんにくを40日間ほど熟成させて、完全な無添加の状態で黒にんにくに変化したのです。
黒にんにくは、適切な温度と湿度管理が必要なので、熟練の職人によって毎日手作業で熟成具合をチェックしながら作られます。適切に管理された保湿器の中で白いにんにくを熟成させることによって、褐色に変化して徐々に黒くなっていくのです。
黒にんにくは、普通のにんにくを微生物なしで熟成させているので、納豆や味噌のような発酵食品とは異なります。発酵食品は微生物の力で作られますが、黒にんにくは自然に作られる食品なので、熟成黒にんにくと呼ばれています。
家庭でも出来る黒にんにくの作り方
黒にんにくは環境さえ整っていれば、自宅でも作ることが可能です。
家庭で作るときは炊飯器を使えば白にんにくを黒にんにくに変化させることが出来ます。
作り方は、炊飯器に白いにんにくを入れて保温しておき、そのまま14日間放置するだけで黒にんにくが出来上がります。
先程も述べたように、黒にんにくは発酵食品ではないので、酵母で発酵させる手間が必要ないのでプロセスは非常に簡単です。
黒にんにくを毎日一粒ずつでも食べると、美容と健康のために役立ちますので、一度ご家庭で作ってみてはいかがでしょうか?黒にんにくは、成長期のお子さんには体づくりに最適な栄養素を摂取できますし、成人には精力アップや疲労回復にも役立ちます。
他にも生活習慣病の予防やがん予防にも効果的ですので、どの世代にも積極的に摂り入れることをオススメします。
黒にんにくと白にんにくの食べ方の違いは?
黒にんにくは白にんにくと食べ方の違いがあるのでしょうか?
白いにんにくには、臭いと辛味のアリシンといった成分があり、細胞が壊れた際に発生するので、擦り下ろしたり刻んだり加熱すると出てきます。
そのため、調理するときはそのままよりも擦り下ろしたり刻んだり加熱して食べる方法が一般的です。しかし、黒にんにくは熟成する過程でアリシンが作られて、白にんにくにはないS-アリルシステインが発生します。
擦り下ろしたり刻んだり加熱する必要がなく、そのまま食べても栄養素を取り込むことができて、料理に入れても美味しく食べられます。
まとめ
今回は、黒にんにくと白にんにくの違いについてみていきました。
黒にんにくとは、白にんにくを適切な温度と湿度の管理の下で熟成醗酵させた完成無添加食品です。
白にんにくよりも豊富な遊離アミノ酸を含んでおり、ポリフェノールの含有量も多いのが嬉しいポイント。白にんにくの独特の臭いや辛味がマイルドになっているので、毎日食べても取り入れやすい食品です。日頃の健康維持にぜひ黒にんにくを取り入れてみてはいかがでしょうか?